すごく久しぶりに Mission San Juan Capistrano(サンファン・カピストラノ教会)に行ってみました。
家から近いところにこんなに良いミッションがあることを、つい最近まで忘れてたのです。
18世紀にスペインのカトリック教会が建てたカリフォルニアに21あるスパニッシュ・ミッションのひとつで、1776年に建てられました。
敷地内に入ると、色とりどりの花が咲いていています。
7月はバラの花がとても綺麗。
特に素晴らしいのが、この Great Stone Church と呼ばれる建物跡。
もともとはここにベルタワーを含む教会が立っていたそうなのですが、過去数回の大地震により倒れてしまい、何度かの修復を経て今の姿になったようです。
サンファン・カピストラノ周辺には、昔から Acagchemem people と呼ばれるネイティブアメリカンの部族が住んでいて、彼らへの布教活動が行われていました。
どういう発音か分からないのですが、カリフォルニアには聞いたことのない名前の部族が沢山いたのですね。カリフォルニアの原住民と呼ばれる人たちは、言語や家系によって135の部族に分かれていたんだそうです。
ここには彼らに関するミュージアム・ルームがあるのですが、残念ながらこの時期は公開されていませんでした。
敷地の案内役は「つばめ」さん。 よく見るとマスクしてるんです♪
実はこのミッション、つばめととても縁が深いのです。その理由は後ほど説明しますね。
Serra Chapel と呼ばれる礼拝堂の中。
写真では分かりにくいですが、祭壇はヨーロッパのバロック様式。ゴールドがふんだんに使われていて、荘厳な感じがしました。
Great Stone Church 跡の隣にあるこのベルタワーは、地震で倒れてしまったオリジナルの代わりとして、1813年に作られたそうです。
サンファン・カピストラノ教会のつばめについてのお話です。
1910年から教会の牧師をしていた John O’sullivan がある日町を歩いていると、店の主人が軒先にあるつばめの巣をほうきで叩き落していて、その周りを沢山のつばめが飛び回っているのを見かけました。一体何をしているのかと尋ねると、店の主人は答えました「この汚い巣が邪魔なんで取り払っているところだ」。牧師が「でも巣が無くなったら、つばめたちはどうしたらいいのだ?」と尋ねると、店の主人は「そんなの知らない、私の所有地を荒らしている鳥たちがどうなろうと関係ない」と答えました。
そこで牧師は言いました。「おいで、つばめたち。ミッションにおいで。君たち全員が住める広い場所だよ」。次の朝、牧師はつばめたちが教会の建物に忙しく巣を作っているのを発見したのです。
それ以降、毎年3月19日になると、渡り鳥であるつばめがアルゼンチンで冬を越してミッションの巣に戻ってくるるのを祝うようになったそうです。
しかしその後 Great Stone Church を本格的に修復するため、つばめの巣を取り除かなければならなくなりました。それ以降、教会に戻ってくるつばめの数が大幅に少なくなってしまったそう。
2012年からはつばめを呼び戻すプロジェクトが立ち上がり、録音した鳴き声を流したり、人間の作った巣(上の写真)を置いたりしているそうです。
近年では、エサを探しに教会の敷地内にやっては来るものの、ほとんどのつばめは教会以外の場所(近所のコミュニティカレッジの構内や橋の下など)に巣をつくるようになったそう。でもサンファン・カピストラノの町には戻ってきてるようです。
今でも毎年3月につばめのお祭りが開かれていて、サンファン・カピストラノの人々にとても愛されている存在なのです。
この教会にこんな逸話があったとは、私も知りませんでした。
いつかまた、つばめが教会の敷地内にたくさん巣を作るようになるといいですね!
行き方
カリフォルニア州サンファン・カピストラノ市に位置しています。住所は 26801 Ortega Hwy, San Juan Capistrano, CA 92675。
I-5を Ortega Hwy (Exit 82)で降りてすぐ。ミッションに駐車場はありませんが、周辺には無料のパブリック・パーキングが沢山あります。特に El Camino Real 沿いのパーキング(5時間無料)が利用しやすいです。
今はコロナの影響で、木曜日から日曜日までの週四日オープン。大人ひとり14ドルの入場料がかかります。
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