トロナ・ピナクルズ を後にした私達は、そのまま CA-187 を北上。もうすぐそこはデスバレー国立公園なのですが、その前にもうひとつだけ寄り道しました。
デスバレーの西側に連なる Panamint Mountain(パナミント山脈)の麓に、 Ballarat(バララット) というゴーストタウンがあります。
ここは1897年、周辺にあった採鉱場の供給ポイントとして作られた町。1850~1860年代のカリフォルニア・ゴールドラッシュが終わった後、まだ金が採れる場所として賑わっていました。人口は多い時で400人以上。7つのサルーン、3つのホテル、郵便局、学校、留置所などがあったのですが、教会は無かったそうです。
Ratcliff Mine という鉱山では、1898年から1903年の間に15,000トンもの金が生産されていましたが、その後操業を停止。他の採鉱場もクローズとなり、1917年に郵便局が閉鎖になると町は衰退していきました。
現在この町は Privately Owned(私有地)です。
町の入口にある看板には、ここは Free Zone(自由地帯)なので写真を撮るなり、キャンプやパーティをするなり好きなようにしていいよ~と書かれていました。
後ろが崩れ落ち、かろうじて立っている家。
砂漠では木材を手に入れるのが難しかったので、当時の建物のほとんどはアドビ(干しレンガ)で作られていたそう。アドビは時ともに崩れ去り、土に帰っていくのです。
ここは Jail House(留置所)兼、morgue(死体置き場)。
“And Motel if Vacant” と書かれていました。囚人がいない間はモーテルとしても使われていたんですね。
中に入ってみると、木造なので温かい雰囲気。
居心地良さそうです。
これはただの古いトラックではありません。
1960年代後半、アメリカのカルト集団 Mansonファミリーが使っていたもの。彼らは近くに住んでいて、時々この町を訪れていたんだとか。
ジェネラルストアの中を覗いてみると、古い写真や昔のグッズなどが飾ってありました。
このお店のオーナーは現在この町のたったひとりの住人。昔この辺りの鉱山を経営していた人の息子だそうです。いつもはお店にいるようですが、この日は朝早かったから誰もいませんでした。
それから実はここ、アメリカン・ニューシネマの代表作といわれる1969年の映画「Easy Rider」(イージーライダー)の撮影ロケーションでもあります。
このゴーストタウン、行ってみると意外と面白い場所でした。アクセスもしやすいので、デスバレーへ行く時にCA-187 を通ったらちょっと立ち寄ってみるといいかも。乾いた砂漠の風景の中、アメリカのゴールドラッシュ時代と自由主義を垣間見たような気がしました。
行き方
カリフォルニア州 Ridgecrest(リッジクレスト)から約1時間のドライブ。 CA-178(Trona Wildrose Road)を北東へ約45マイル走り、右側に出てくる未舗装道路(Ballarat Road)に入ります。約3.6マイル走ると Ballarat の町に到着。ここまでの道は良い状態なので2WDでもOK。
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