サンディエゴ北部の山間いに、超ローカル、超マイナー、そして私好みのチャペルを見つけてしまいました。
その名は St. Francis of Assisi Chapel (セントフランシス教会)。CA-79 沿いの Warner Springs(ワーナー・スプリングス)という小さな町にひっそりと佇む、歴史ある教会です。
白いアドビの壁に赤茶色の屋根。鄙びた雰囲気にとても惹かれます。
1830年に当時この地に住んでいた Cupeño というネイティブアメリカンの部族によって建てられ、1995年にサンディエゴの司教によって修復されています。
本当にこじんまりとした小さな教会。
今でも毎週日曜日、ミサが行われています。
ドアを開けてみると、中には誰もいません。白い壁が明るく、古い木製の天井が目を引きました。
とても穏やかな空気だったので、ちょっとだけ瞑想タイム。
記帳を見ると、ほぼ毎日誰かが訪問しているようです。
私も記念にサインをしておきました。
何気なく訪れた教会ですが、ここでまたひとつ、ネイティブアメリカンの悲しい歴史を知ることになってしまいました。
Cupeño Indian は元々長い間この土地に住んでいた人々。それが 1795年からスペインの植民地として支配され、1844年からはメキシコ系アメリカ人オーナーの牧場の労働者としてひどい扱いを受けます。その後アメリカ政府と土地の所有権に関する紛争が繰り返されることになるのですが、Cupeño の人々はここが自分たちにとって世界一の場所、ここ以外は絶対に住めないと何度も反発したそう…。
しかし1903年の政府からの立ち退き命令を受け、ここから約65キロ離れた Pala という場所(現在ではカジノホテルで知られる Pala Indian 居住区)に強制移住させられたのです。
この教会のある場所は、Cupeño Indian にとって Trail of Tears(涙の道)の出発点と言われています。
一家族に馬車一台が割り当てられ、3日かけて Pala までの道を移動。それでもまだ彼らは、いつか必ずここに戻ってこれると信じていたそう…。
愛する故郷を去ることになった彼らの悲しみを思うと、なんだか胸が熱くなるのでした。
ちょっと切ない気分になってしまいましたが、私はこの後も別の目的で、もう少しだけ旅を続けます。
それはまた次回。
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