Mitchell Caverns（ミッチェル洞窟）

南カリフォルニア、モハビ砂漠の奥に鍾乳洞があるのをご存じですか？　先日その Mitchell Caverns（ミッチェル洞窟）に行ってきました。

実はここ、近年見るチャンスがとても限られていた場所。2010年にインフラ崩壊とカリフォルニア州の予算削減から公園が閉鎖となり、その後何者かによって施設が広範囲に渡って破損されてしまいました。そのため2017年に再開するまで、建物や洞窟内の大規模な修理が行われていたのです。そして今度はコロナで一年以上閉鎖。今年の５月からやっとツアーが再開されました。

そんな貴重な場所に行くことができて嬉しいし、問題を乗り越えて再々オープンした公園を思うとちょっと感慨深い…。今回ツアーに誘ってくれたお友達に感謝です。

早朝5時前に家を出発し、3時間半かけて砂漠の中にあるビジターセンターに到着。通常１日に2回あるツアーも夏の間は午前中の１回のみ。私達含め5人だけのツアーでした。

ビジターセンターでチェックインをした後、ツアーガイドついて洞窟の入口まで歩いて行きます。少し上り坂ですが、片道0.7マイルの簡単な道のりです。

Mitchell Caverns Entrance “The Eyes of the Mountain”

昔この地に住んでいた Chemehuevi people と呼ばれる先住民たちは、洞窟の入口を ”山の目”（The Eyes of the Mountain) と呼んでいたそう。

この洞窟を最初に所有していたのは、Jack & Ida Mitchell という夫婦。州立公園になる前の1934年から1954年までこの地をリゾート化し、ルート66沿いのアトラクションとしてツアーを運営していました。彼らに資金はほとんどありませんでしたが、洞窟へ行くための道路や施設を自分たちで作り上げたそう。

Mitchell Caverns, Providence Mountains SRA, CA

ミッチェル洞窟は、El Pakiva (Devil’s House) と Tecopa, というメインの洞窟が２つあり、ツアーではこれらを訪れることができます。

長い間これらの鍾乳石は成長していないと考えられており、ミッチェル洞窟はもう死んだと思われていたそうです。でも最近の研究では、大雨が降った年に鍾乳石が成長している兆候が見られているとか。

Mitchell Caverns, Providence Mountains SRA, CA

思っていたより立派で見応えのある鍾乳洞。中の温度は15～20℃と快適です。

ISO感度をかなり上げて写真を撮ってみましたが、あまり良いものは撮れず（悲）。動画の方がまだマシかもしれないので、ツアーの雰囲気をちらっとお楽しみください↓

ツアーガイドはとてもフレンドリーで知識が豊富。

楽しくツアーを進行してくれるので、あっという間の2時間です。

鍾乳洞はとても神秘的で魅力的な場所ですよね。ただ写真は撮りにくいので、今まで撮影の目的地に選ぶことはほとんどありませんでした。でも調べてみると各地に沢山あるようなので、これをきっかけに今後もっと訪れてみたいな～。

行き方

ミッチェル洞窟は南カリフォルニアのモハビ砂漠内に位置しており、洞窟のある場所は Providence Mountain State Recreation Area（プロヴィデンス・マウンテン州立保養地）と呼ばれる州立公園になっています。洞窟へのアクセスはツアーのみ。

Barstow（バーストゥ）という町からフリーウェイ I-40 を東に約99マイル進み、Essex Rd（Exit 100）で降ります。左折してEssex Rd をそのまま16マイル走るとビジターセンターに到着。この道は舗装道路ですが、最後の数マイルはあまり綺麗にメンテされていません。

ツアー情報

金曜～日曜＋休日の月曜日のみオープン。予約は電話のみ。ツアー料金はひとり10ドル、パーキング１台につき10ドル。詳しくは→　https://www.parks.ca.gov/?page_id=615

なお、コウモリの感染症である ホワイトノーズ・シンドローム（White Nose Syndrome） を防ぐため、過去10年間に他の洞窟、鍾乳洞などに行った時と同じ服や靴を履いていると消毒の対象となります。同じ服や靴を身に着けて行かないように、もし身に着けている場合は消毒してもらうように公園のスタッフに申し出ましょう。

🦇 ホワイトノーズ・シンドローム（白い鼻症候群）とは？🦇

冬眠中のコウモリが発症し、鼻口部、耳、翼などが白い粉末のカビだらけになる病気。アメリカ東部のコウモリにこの致死的な真菌感染が広がり、大量死が起こっています。人間が洞窟でこの菌を付けてしまい、他の場所に菌をばらまいてしまう可能性があるのです。この菌は洋服や靴などの表面では長い期間存在する可能性があるそう。人間に直接に危険はありませんが、コウモリが大量死すると人間の生活にも大きな影響があります。コウモリは昆虫を大量に捕食するため、害虫駆除に多大な貢献をしています。コウモリの数が激減したら、町や農場にまで数百～数千トンの昆虫が飛び回ることになるかもしれないのです🦟🐛　農作物や環境への影響は計り知れません。