Spiral Jetty(スパイラル ジェティ)

Spiral Jetty(スパイラル ジェテイ)とは、ユタ州グレートソルトレイクの湖岸にあるランドアート。

1970年に彫刻家である Robert Smithson によって作られました。

ランドアートとは、1960年代から1970年代にアメリカやイギリスで起こった芸術運動で、広大な自然を素材として作った作品のことです。

長さは 1500ft(460m)、幅は 15ft(4.6m)で、コイルのような渦巻の形をしています。6000トン以上の土砂や玄武岩(火山岩)を運んで作られたそう。

作られた当時は湖の水位が低かったのですが、その後水位が上がって30年間も見ることができなかったとか。2004年頃になって再び水位が下がり、その姿が見られるようになりました。

 

Spiral Jetty in twilight, the Great Salt Lake, UT

 

私たちが行ったのは12月末。岸は干上がっていて、地面が露出していました。お天気も悪かったので、あまり綺麗な感じには見えませんでした。

 

でも… 私がここに来た本当の目的は、スパイラル ジェティではないのです。

実はグレートソルトレイクのピンクの水が見たくって、ここまでやって来ました。

 

スパイラル ジェティから奥の方へどんどん歩いて行くと、水が本当にピンク色でした!

 

Pink water at the Great Salt Lake, UT

 

曇り空だったからか、ミルキーなピンク色です。

 

Pink water at the Great Salt Lake, UT

 

この赤みがかったピンク色は、塩分の高い環境で繁殖するバクテリアや藻類によるもの。

グレートソルトレイク北部は塩分が27%ととても高いのですが(海水の約9倍)、それは1959年にサザンパシフィック鉄道の土手道を湖の上に作ったため、川の出入り口のある南部から分離されてしまったから。

 

Photographer in the reddish color water, the Grate Salt Lake, UT

 

光の加減や場所によって、紫っぽかったり、赤味が強かったり。

 

Reddish color water at the Great Salt Lake, UT

 

ちなみにこのバクテリアは Halophile(好塩菌)と呼ばれるもの。Halophile とは Salt-Loving という意味で、つまり ”塩辛~いの大好き“ な微生物。

特にグレートソルトレイク北部の塩分が高い場所にいるのは、Haloarchaea(高度好塩菌)と呼ばれ、古細菌という生物グループに分類されます。

極限環境で繁殖する微生物といえば、イエローストーン国立公園のカラフルなガイザーの中に住む Thermophile(好熱菌)を思い出しますね。

 

Salt crystal on rock, the Great Salt Lake, UT

 

岩の上に塩の結晶がのっている、面白い風景にも遭遇。

これがホントの岩塩ですね(笑)。

 

この日はピンクの水を見ることができて、とっても満足な気分でした。

 

 

行き方

ユタ州グレートソルト湖の北東部に位置しています。近くに Golden Spike National Historic Site (ゴールデンスパイク国立史跡)があるのでセットで行くと良いかも。この時ちょうど、政府によるナショナルパークの閉鎖期間で、残念ながら私たちは中を見ることができませんでした。

ここからスパイラル ジェティまで約30分のドライブ。Golden Spike Roadはビジターセンターを過ぎたあたりで未舗装道路になりますが、道の状態は良いです。この道を約5.5マイル走って左折。約1.4マイル先の N Rozel Flats Rdを右折。この道を約8.7マイル進むとパーキングに到着。スパイラル ジェティはすぐ目の前です。湖の水位は年や季節によって変わるので、必ず見えるとは限らないそうですが、ここしばらくは見えている状態だとか。ソルトレークシティからだと2時間以上のドライブ。

 

 

 

 

 

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