ニューメキシコ北西部 San Juan Basin(サンファン盆地)と呼ばれる砂漠地帯に King of Wings (キング・オブ・ウィングス)という名前のついた岩があります。この辺りはユニークな形の岩柱が沢山あるのですが、この岩は細長く伸びた羽のような形が一際目立っています。
この岩があるのは Farmington という町から約66マイル南下した、Ah-Shi-Sle-Pah Wilderness というエリア。6年くらい前に Bisti Badlands/ Ah-Shi-Sle-Pah周辺に来た時にもこの岩の存在は知っていたのですが、情報が全く見つけられなくて行けずじまいでした。
当時はこの貴重な岩を守るため、正確なロケーションが公開されていなかったそう。近年になってインターネットで GPS 情報が見つかるようになり、グーグルアースでもその存在が確認できるようになりました。
私達は チャコカルチャー国立歴史公園 の帰りに行ったので、Indian Rute 57から7870、そして7650 を通って行きました。この辺りの Indian Routeは ハイクリアランス車必須、雨が降ればどろどろで走行不可能なのでお天気とロードコンディションには十分な注意が必要です。
キング・オブ・ウイングスまでは GPS を頼りに片道約2マイルの道のりを歩いていきます。こんな所を歩いていて本当に到達できるのかと不安になるような何もない砂漠の草原をしばらく歩いた後、バットランズと呼ばれる泥岩でできた丘をいくつか越えます。やっと周りに岩柱が現れ、少し迷った後、遠くの丘にウイングの姿を発見した時は嬉しくて疲れも不安もふっとびました。一時間以上は歩いたと思います。
実際に見たウィングはイメージしてていたよりも大きく、羽の部分は長さ4メートルくらい。いつ崩れてもおかしくないようなバランスで下の岩にくっついています。
何千年もの間、雨風の浸食を繰り返してこの立派な羽の彫刻が作られたのですね。
この日は朝からサンダーストームが来ていたのですが、午後は晴れ間が出てとても絵になる空に。
正面から撮ってみました。
隣に立ってみるとこんな感じ。
刻々と変わる雲の表情。大空に掛かった雲の橋をバックに。
この岩の周辺は他に目立つ岩が無く、孤独に佇む様子もかっこいい。とてもデリケートで貴重な岩、どうかずっとこのままの姿で存在し続けて欲しいです。
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