壁画マニアの友人が ”最高級” と太鼓判を押すネイティブアメリカンの壁画、それが Horseshoe Canyon(ホースシューキャニオン)。
私も数々のネイティブアメリカンの壁画を見てきたけど、こんなに神秘的で繊細な壁画は初めて。写真を一目見た時から何だか心をぎゅっと掴まれるような感じがして、見れば見るほどそのミステリアスな美しさに惹きつけらてしまいました。これは絶対に自分の目で見なくてはと思い、今回のユタ砂漠旅行のメインのひとつとなったのです。
この壁画を見るには片道約3.5マイルの少々困難なトレイルを歩かなければなりません。高低差が750ft(229m)のキャニオンを登り下りし、砂地の Wash を歩くのでかなり体力を使います。
私達が行ったのは4月の終わりで気温は75F(24℃)くらい。そんなに暑くなかったので良かったのですが、トレイルは日陰もほとんど無く、真夏に行ったらかなり辛いハイキングになると思います。
私達が歩き出す準備をしていたら、パークレンジャーのおじさんが水はひとり500ml ペットボトル4本は持っていくようにとアドバイスしてくれました。ひとり4本なんて重くて大変~と思いましたが、持っていって本当によかった… 3本以上軽く飲み干してしまいました。それに体力を使うのでエネルギー補給の食料も必須です。
ホースシューキャニオンへのダートロード。乾いていればほとんどの車で走行は問題無さそう。
ホースシューキャニオンのトレイルヘッド。ここから片道3.5マイルの道のりが始まります。
典型的な南ユタ州の砂漠風景の中、ひたすらキャニオンを下って行く。
キャニオンを下り Wash(川底)を歩いていくと、左側キャニオンの頭上20フィートに High Gallery と呼ばれる最初の壁画が見つかります。ここにある壁画は主に Pictograph(ピクトグラフ)といってペイントされたもの。
さらに歩いていくと、右側のキャニオンの壁に Horseshoe shelter と呼ばれる次の壁画が見えてきます。
ここの壁画はちょっとコミカルな画風。
弓矢でバッファローを狩猟する場面。後ろの角のある動物はエルクでしょうか?
更に歩いていくと立派なアルコーブが見えてきます。
アルコーブ内の壁画。人物のようなフィギアが何体も描かれています。
これがトレイルの終点、Great Gallery と呼ばれる全長 300ft、高さ15ft に及ぶ巨大な壁画。この部分は Holy Ghost(精霊)Panel と呼ばれており、それぞれのフィギアは人間と同じくらい(1~2メートル)のサイズ。
柵があってこれ以上前には行けませんが、それでも写真は十分撮れます。
広角と望遠レンズ両方あると良いです。
Holy Ghost Panel のクローズアップ。なんともミステリアスで、一度見ると忘れられません。
ここの壁画は大昔この地域に住んでいた Fremont Indian によるもので Barrier Canyon Style と呼ばれています。手と足がない幽霊のようなフィギアが、空中を漂うように描かれているのが特徴。
少なくとも数千年前、古いものでは8000年以上前に描かれたと言われています。
真ん中右側の小さいココペリのようなフィギアは、フルートを吹いているようにも見えるし、アトラトルという古代の投槍器を持っているようにも見えます。
右下には沢山のビックホーンシープが彫刻されています。
これらのフィギアは、超自然的現象と交信することができる Shaman(シャーマン)を表現しているという説が有力だそう。
フィギアの胴体部分に人や蛇のようなものが描かれて、両肩には4つ足の動物が乗っています。
グレートギャラリーの前で休憩していたら、こんなに可愛いリスが。このリスたちは毎日この素晴らしい壁画を見ているなんて…とっても贅沢。
週末にはパークレンジャーによるツアーがあるそうですが、私達が行った平日はツアーは無いけどレンジャーの人はいました。
今回会ったレンジャーのおじさん、たまたま私達の少し前を歩いていたのですが、壁画のポイント毎にハイカーが来るのをを待っていてくれて、そこで簡単な説明をすると次はどこに壁画があるか言い残し去って行きます。壁画のポイントにサイン等は全くないので、このおじさんのお陰で全ての壁画を問題なく見つけることができ、またゆっくとり自分達のペースで歩くことができたのでとっても助かりました。
行き方
Horseshoe Canyon はユタ州 Hanksvile から北東へ約46マイル、キャニオンランズ国立公園の管轄内に位置しています。Hwy24 から ゴブリンバレー州立公園 の向かい側にある未舗装道路(Indian Route 1010)を東に約32マイル走るとパーキングエリアに到着します。
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