ホワイトメサアーチで朝日の撮影をした後に急いでTuba Cityに戻ったのは、ホテルのレストランでの朝食を逃したくなかったから。9時半までの朝食の時間になんとか間に合いました。ホテルの隣にあるネイティブアメリカン風のレストランだったので、どんなものが出てくるのか結構期待してたのですが… 普通のアメリカンな朝食でちょっとがっかり(笑)。
さて、お腹を満たした後は次の目的地へ。この日の予想最高気温は105F(40℃)、この時間でも既に90F(32℃)を超えているので、少しでも早い時間に行かないと暑すぎて外にいられそうもありません。
その目的地とは、前日にブルーキャニオンでホピ族のガイドの人に教えてもらった壁画サイト。
ホピ族の青年が、成人になる儀式の巡礼としてグランドキャニオンへ行く際に通る場所です。ここでキャンプをしながら自分の一族のシンボルを岩に刻むことがホピ族の伝統だったそう。
この場所には約1200~1950年代までの間に描かれた、5千個以上のホピ族のシンボルがあります。
ここの壁画の特徴は、同じものが何個も繰り返してライン上に描かれていること。最大で20個以上も続いているものもあるとか。これは同じ一族から来たものが次々にシンボルを刻んでいくからと言われています。
ホピ族の若者にとって、この巡礼は祖先や部族の伝統・歴史を学ぶ大切な儀式だったのです。
ホピの太陽のシンボル。
カチーナと呼ばれるホピの人形にもこの顔がよく使われています。
珍しいチリペッパーの壁画。
サンドストーンでできた大きい岩がゴロゴロしていて、そこに動物や植物、ホピ族の文化など、様々なシンボルが描かれています。
ライン上にずらっと並ぶ熊の爪痕。
細長い岩の表面に、鳥や人の顔などが繰り返し描かれています。
本当に沢山の種類の壁画があって、一度ではとても全部は見きれません。
炎天下の中にいることも忘れて、身体がふらふらになるまで写真を撮り続けてしまいました。
ところで、ホピ族の若者がグランドキャニオンに巡礼にいくという話は前にも聞いたことがあるような気がするのですが、あまり良く覚えてない…。なのでちょっと調べてみました。
グランドキャニオンの中に Sipapuni と呼ばれる場所があり、そこは彼らがこの世に出現した場所(The place of emergence) とされているそう。ホピ族の青年が成人になる時に Yellow Clay(黄色い粘土)を求めてこの場所を巡礼し、その後コロラド川沿いの洞窟へ行って塩を集めるという儀式なのだそうです。
なるほど、ホピ族にとってグランドキャニオンは、とても神聖な場所だったのですね。
Leave a Comment