ユタ州にある Nine Mile Canyon(ナインマイルキャニオン)は、山間の道沿いに数え切れないほど沢山のネイティブアメリカンの壁画が集まった場所。
世界で一番長いアートギャラリー “World Longest Art Gallery” とも言われています。多くは昔この辺りに住んでいた Fremont People(フリーモント族)や Ute People (ユート族)の壁画だそう。
名前は Nine Mile(9マイル)ですが、実際は約46マイルの長~い道。以前はダートロードでしたが、2014年から舗装道路となり、とても走りやすくなりました。
南カリフォルニアからは約11時間のドライブ。途中ユタ州セントジョージに一泊して、ようやくナインマイルキャニオンの入口へ。
Nine Mile Canyon Rd に入ってしばらく走るとこの看板があります。ここがナインマイルキャニオンの入口のようです。
12月末のユタはとても寒くて、道路には雪が積もっていました。
一番有名なのがこの Great Hunt Panel と呼ばれる壁画。狩をしているシーンです。
右側に矢を持った人々、そしてたくさんのビックホーンシープが描かれています。
これはビックバッファローと呼ばれる壁画。
素晴らしい壁画の上に、このような文字が書かれてしまったのはとても残念。
これは輪の中に人が入っているような、ちょっと変わった壁画。
今回一番見たかった壁画がこれ。
コヨーテが空に星を並べているシーンで、ホピ族の神話を描いたものと言われています。
そのお話によると… 年老いたスパイダーウーマン(蜘蛛女)がコヨーテに星のたくさん入った袋を与えました。コヨーテは山のてっぺんに登り、星座を含め、空に星を綺麗に並べ始めました。しかしそのうちコヨーテは面倒になってしまい、袋ごと星を空にばらまいてしまったのです。ほとんどの星がきちんと配置されていないのは、それが理由なんだそうです。
なんとも可愛いお話ですね! 壁画を見ると、コヨーテは片手に袋を持っていて、周りに点々(星)が並んでいます。私のお気に入りの壁画。
こんなピクトグラフもありました。
台形の人間フィギアは Fremont Culture の典型的な壁画スタイル。
Daddy Canyonというエリアの短いトレイルを歩くと、沢山の壁画が見つかります。
これは綺麗なビックホーンシープ。
こちらは角が立派なトナカイ。
素晴らしい壁画を見ながら、誰もいないキャニオンを歩いていると、大昔にタイムスリップしたような気分になります。この壁画を描いた人たちは、日々どんな生活をして、何を思いながら描いていたのかなあ…。
今回は半日しか滞在できなかったので、見たいと思っていた壁画を全て探し出すことはできませんでした。でもここにはまだまだ素晴らしい壁画が沢山あるので、次回のお楽しみに取っておこうと思います。
行き方
一番近い町は、ユタ州北東部にあるPrice(プライス)、および Wellington(ウエリントン)。Price から Hwy 6/191を南東へ7.5マイル走ったところにある Solder Creek Rd を左折します。Chevron ガスステーションのすぐ脇の道です。この道が後に Nine Mile Canyon Rd となります。途中にお店などは全く無いので、ガソリンや食料、水などは Price か Wellington で調達しておくと良いです。
メジャーな壁画にはサインが出ているものもありますが、多くはキャニオン内を歩いて自分たちで探さなければなりません。なので双眼鏡があると便利です。
Leave a Comment