アメリカの砂漠で秘境や絶景地を訪れるには、しばしばオフロード・ドライブが必要になります。
道なき道を走るワクワク感、そしてその先にある素晴らしい景色を自分の目で見ることが出来た時の感動は、何物にも代えられませんよね。
でも砂漠のオフロード・ドライブは常に危険と隣り合わせ。
オフロードをドライブしたい!と思ったら、どんな準備をしてどんな点に気を付けたらよいか、私なりにまとめてみました。
注:オフロードといっても、2WDでも走れる綺麗なダートロードから、ジープ車必須の上級者向けまで様々。ここではそこまで本格的ではなく、国立公園やBLM内の一般的なSUVで行ける程度のダートロードを対象にしています。
1.ハイクリアランス車は必須
ハイクリアランス車(できれば4WD)は必須です。自分の車のクリアランス(車高)を知っておきましょう。
車とタイヤが良い状態であること、そしてガソリンが十分に入っているかチェック。
2.前もってダートロードの状態調べておく
- ダートロードの状態をウエブ上で調べておきましょう。道順、マイル数、路面状態、どこで曲がるか、どこかにサインはあるか、などを前もって頭に入れておくと安心です。
- グーグルマップ、グーグルアースなどを使って、周囲の状況や地形も把握しておきましょう。
- その道を実際に運転したことのある人の体験談を聞いたり読んだりしておきましょう(これ重要)。
- その上で、自分の車でも行けそうか判断します。
3.お天気と道路状況を確認する
当日のお天気はもちろんですが、前日までに雨が降っていたら、道が走行不可能になっているかもしれません。ユタ州南部の砂漠は粘土質(Clay)の土が多いです。雨が降ったらドロドロでタイヤがスタックしてしまいます。そのような状態だったら決して無理はしないように。晴天なら数日で乾くので、予定を変更して後日戻ってくるという選択もあります。
4.持ち物
- 食べ物・飲み物
- カーナビ:未舗装道路ではあまり当てにならないけど、似たような道がいくつかあって迷った時、これで脱出できる場合があるので。
- エマージェンシーに備えて:スペアタイヤ、ツール、砂が深い道の場合はスコップやサンドラダー(Sand Ladder)、ロープ、懐中電灯、予備の防寒ジャケット、手袋、ファーストエイドキット、地図、GPS。
5.スピードは出さない
何かが急に出てきてもコントロールが効くスピードを保つことが大切です。
くねくねした道ではいつ対向車が急に現れるかわかりません。ゆっくり慎重に進みましょう。狭い道で対向車が来たら、広めの場所を探してぎりぎりまで車を寄せ、対向車が安全に通過するまで待ちましょう。
6.ひとりでは行かない
特に人の少ない秘境でのダートロードは、必ず二人以上で行ってください。二人いれば万が一何かあってもかなり心強いです。難しいポイントに遭遇しても、ひとりが車から出て前を確認しながら進んでいくことができます。
7.運転のコツ
路面状況をよく確認しながら、とがった岩やデコボコの穴を避け、できる限り道の走り易いところを走りましょう。
あまり車が走った形跡がなさそうな道(大きい石がゴロゴロしてたり、雑草が伸びていたり、木の枝が突き出ていたり)は、奥に行くほどひどくなる可能性があります。これ以上前に進むのは無理と思ったら、潔く諦めること ← これが一番重要。
8.川を渡る場合は深さをチェック
国立公園内ならビジターセンターでその日の川の深さを確認しましょう。
それ以外の場所でも、必ず木の棒などで深さを確認し、深そうだったら渡らない。特に大雨が降った後、ドライウオッシュに流れてできる川は危険です。朝は水量が少なくても、午後になると急激に増していることがあるので要注意。
9.道をそれて走らない
道をそれて植物などを傷つけたりしないようにしましょう。道沿いはシアノバクテリアなど、保護された生態系がいる場合があります。
また、道をそれると Private Property (私有地)に入り込んでしまうことも。ゴミは捨てないできちんと持ち帰りましょう。また目的地までに放牧エリアを通っていく場合、ゲートがある場合があるので、開けたら閉めましょう。
10.動物に注意
アメリカでは Open Range (オープンレンジ)と呼ばれる、牛が放し飼いされているエリアがあます。このエリアでは頻繁に牛が道に出てきます。また、人里離れたダートロード沿いでは様々な野生動物が出てくる可能性があります。もし動物が出てきても近づきすぎず、彼らが道を渡り終えるまで待ちましょう。
オフロード・ドライブは、お天気によって道がクローズされたり、道自体が無くなっていたり、予想外のことが起こるのは日常茶飯事。何が起こってもフレキシブルに対応できるように準備をしておきましょうね。そして自分の感覚に従って、無理をしないことがとても大切です。
どうか皆様が安全運転されて、そしてその先の素晴らしい景色に出会えますように!
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