前回 Chaco Culture National Historic Park (チャコカルチャー国立歴史公園)に行ったのは2010年の冬。6年ぶりにまたこの場所に戻って来ました。
あれからずっとまたこの遺跡群が見たいなあと思っていたのですが、チャコカルチャーがあるニューメキシコ北西部は主要なフリーウェイから離れているので、ついでに立ち寄るということがなかなか出来なかったのです。
でも今回はフォーコーナーズ(ニューメキシコ、コロラド、ユタ、アリゾナ4州の境界線が集まった地域)まで来たので、迷わず旅のスケジュールに組み込みました。ここまで来たらチャコカルチャーは絶対外せない場所なんです。
8月のアメリカ南西部はサンダーストームの季節。この日も空は暗い雲に覆われチャコに向かう途中から雨が振り出したのですが、ビジターセンターを見たりピクニックテーブルでお昼を食べて時間を過ごしていたら徐々に晴れ間が出てきてくれました。
チャコで一番大きな遺跡、Pueblo Bonito(プエブロ・ボニート)の入り口。トレイルはここから約0.5マイルのループ。
プエブロボニートは AD 850年から1150年にかけての300年間、計画的な建設を繰り返し使われていました。
宗教儀式、運営管理、交易の中心地であるだけでなく、倉庫、天文学、権威者の埋葬地としての機能もあったそう。住居としてのスペースはほんの少しと言われています。
グレートキバは宗教儀式を行う神聖な場所。当時のプエブロボニートは4~5階建てで部屋数は600以上、グレートキバ3個、通常のキバは32個。
遺跡はドア、窓、通路の位置など天文学の知識を元に作られています。また石積みの技術も数種類に及ぶそうです。
ビジターセンターの裏にある往復1マイルの Una Vida トレイルにある壁画。
この遺跡は Kin Kletso といって Yellow House という意味。AD 1100-1150s の間居住されていて、65 の部屋に5つのキバがあったそう。
今回のハイライトは、プエブロボニートを上から眺めること。Pueblo Alto Trail を1マイル程登って行くとオーバールック・ポイントがあります。人がやっと通れるくらいの狭い岩の隙間から崖を登って行くちょっとスリリングなトレイルです。
上から見ると遺跡はアルファベットのDの形。プラザと呼ばれるコミュニティ広場が二つあり、その周りに大小のキバがいくつも並んでいます。
当時チャコキャ二オン一帯には数千人もの人々が住んでいました。フォーコーナーズ周辺に住んでいた古代プエブロ人も儀式や集会のために遠くからチャコまで集まっていたそうで、ここは何千人もの人々が行き交う場所だったのです。
高い技術によって建設されたチャコカルチャー遺跡群ですが、古代プエブロ人(アナサジ)は遺跡を残したまま突然この地を去ってしまいました。コロラド州 Mesa Verde (メサ・ベルデ)周辺やユタ州南東部に移動したと言われています。
その理由は1130年頃から何度も起きていた干ばつによる深刻な水不足と言われていますが、考古学者達の間ではそれだけが理由ではなく、宗教的混乱や部族間の争いという説もあるそうです。
チャコカルチャー国立歴史公園は、1987年にユネスコの世界文化遺産に指定されています。
行き方
ニューメキシコ州 Farmington/Bloomfield の町からUS 550を南下、Nageeziという町の3マイル南にある CR7900という道路に入ります(チャコへの看板も出ている)。この道を約5マイル進んでCR7950を右折。CR7950は次第に未舗装道路になります。ここから公園入り口まで約13マイル、道は走り易いですが最後の4.5マイルは結構デコボコしているので注意。これがナショナルパーク・サービスが推奨しているオフィシャルな行き方です。
他にもチャコカルチャーの周りにはたくさんの Indian Route が通じていますが、未舗装道路で天候などのコンディションによって通れないことも多いです。
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