今冬のユタ州への撮影旅行の中で、一番美しい夕日に出会えたのがここ Delicate Arch(デリケートアーチ)。アーチーズ国立公園の中にあり、ユタ州のシンボルとして車のライセンスプレートにもなっている素晴らしいアーチです。
この日は朝から暗く厚い雲に覆われ、吹雪にも見舞われるあいにくのお天気。デリケートアーチで夕日を撮る予定だったのですが、このお天気の中トレイルを歩くかどうか迷っていました。こんなお天気じゃ良い写真は撮れそうもないし、トレイルも決して楽ではないので折角行くなら太陽の出ている日に行きたかったから。
でも午後2時を過ぎると少し雲の切れ間が出てきたので、一か八かトレイルを歩いてみることにしました。でも行って本当によかった。
アーチの高さは約19.5メートル。近づいてみると想像以上に大きいことに驚きます。そして平らな所ではなくほぼ崖っぷちに立っているのもすごい。
空は厚い雲に覆われていますが、太陽が沈む西の方角は雲の切れ間があったので、日没直前の光が差すのを期待して待っていました。
Last Light(日没直前の強い光)がアーチを照らし始めました。
暗い雨雲を背景にオレンジのスポットライトを浴びたアーチがなんと美しいのでしょう…。光の当たっている時間はたったの3~4分でしたが、まるで夢をみているような気分。近くで撮影していた他の写真家たちと、今日自分達はここに来れて本当にラッキーだったね、と声を掛けあいました。
日が地平線に沈んだ直後。まだ岩に赤い色が微妙に残っています。
デリケートアーチ・トレイルには壁画もあります。1650~1850年頃の Ute Indian のものだそう。とてもくっきりとした壁画で、馬に乗った人々、その周りにビックホーンシープと犬のような動物が描かれています。
本当は雪がたくさん積もったデリケートアーチを見たくて、わざわざ冬にここまでやって来ました。雪は積もっていなかったけど、美しい夕日を撮ることができてとても満足。お天気は最後の最後までどうなるか分からないので、諦めずにいることも大切ですね。
トレイル情報
デリケートアーチを見るには往復約3マイル(4.8km)のトレイルを歩きます。行きは標高差は480ft(146m)の上り坂なので結構疲れます。特にSlickrock(一枚岩)を登る部分がきついですが、休みながら自分のペースで行けば問題ありません。夏だったらとても暑いと思うので、十分な水や食料、日陰はないので帽子と日焼け止めが必要です。約50分でデリケートアーチに到着。帰りは下り坂なので楽、時間も行きの半分しかかかりません。
ここは大変人気のあるトレイルなので、常に沢山の人がいます。私達が行った日はとても寒くお天気もよくなかったのですが、それでも30~40人くらいの人はいました。
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