今回の撮影旅行はどこに行くの?と人に聞かれ、ユタ州南東部にあるどこどこへ… と答えると、「ふ~ん、よく分からないけどまた Middle of Nowhere (辺鄙な場所)ね。」で話が終わってしまいます。それ以上聞いてくる人はほぼいません(笑)。やっぱりこの辺りって、日本人にはもちろんアメリカ人にもかなりマイナーな場所みたい…。
私がユタ州南東部ばかりに足が向いてしまう理由、それは美しいキャ二オンやアーチだけでなく、ここがネイティブアメリカンの遺跡や壁画の宝庫だからです。数年前まではほとんど知らなかったのですが、メサベルデや チャコカルチャー に行ってその歴史を知るにつれどんどん興味が出てきて、気づいたらその魅力にはまっていました。
今回訪れたのは、メキシカンハットの町からも近い Monarch Cave Ruin(モナークケイブ遺跡)。とても見栄えのする遺跡で、トレイルも短く簡単(ここ重要ポイント)です。
古代プエブロ人(アナサジ)の遺跡。壁画や陶器の欠片なども残っています。
トレイルから見上げると、遺跡はかなり高い所にあるのが分かります。ネイティブアメリカンの岩窟住居は、崖の中腹などとても行きにくい場所に作られているのですが、それも全て外敵から身を守るため。
遺跡のあるアルコーブの中は涼しくてとっても居心地が良かった。これは小枝を集めて作ったわらぶき屋根の跡。
ここにも古代のコーンが残っていました。フォールンルーフ遺跡 にもありましたが、このコーンを見るとなぜか興奮します。何百年も前の古代プエブロ人が食べた跡を、現代の私たちが目にすることができるなんて、すごくないですか?
これは Metate と呼ばれる、コーンやシードを挽く臼だそうです。きっとこの一角は台所だったのですね。
アルコーブの右側の壁沿いに、たくさんのピクトグラフがあります。
グリーンの色が使われているのがちょっと珍しい。ピクトグラフは鉱物、植物、その他の有機物質からとった色素をペイントして描かれているそうです。
行き方
ユタ州メキシカンハットの町から UT163 を東に19マイル走り、左側に出てくるダートロード Lower Butler Wash Road(CR 262) に入ります。この道の入り口には鉄のゲートがありますが、開けて中に入れます。入った後ゲートはちゃんと閉めておきましょう。ダートは乾いていれば特に問題のない良い道。この道を7.2マイル進み、左側に出てくる脇道を入るとそこがパーキングエリア、奥にトレイルヘッドがあります。尚、7.1マイルの地点にも左側に脇道があって、もし間違ってそこに車を停めてしまっても遺跡に行くことは可能だそう。
トレイル情報
往復約1.6マイル(約2.6キロ)、高低差も160 ft(49メートル)の簡単なトレイル。ところどころケルンが置いてあったり、人の歩いた道ができているのでルートは見つけ易い。だだ分かりにくい所もあるのでGPSは持っていたほうが安心です。この日は私達以外にも5~6組のグループに会いました。ローカルの人々には人気があるトレイルなのかもしれません。
そうそう、遺跡のあるアルコーブの中にはポイズンオーク(有毒で触ると肌がかぶれる植物)が生えていたので、くれぐれもご注意を。
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